韓国ホラー映画「ワーニング その映画を観るな」は、都市伝説となった噂話に迫る新人映画監督を待ち受ける、恐怖の数々が描かれた作品です。
今回、主人公の新人映画監督役として「サイコだけど大丈夫」のソ・イェジさん、元映画監督役として「エクストリーム・ジョブ」のチン・ソンギュさんが出演し、ホラー映画に魅了された二人の映画監督をどのように演じるのか見どころです。
その他キャストと感想、映画の最後をネタバレ(考察)していきます。
現在どこで配信されているのか、一番最後で紹介しています。
映画|ワーニング 作品情報
- タイトル:ワーニング その映画を観るな
- 原題:암전(Warning:Do Not Play)
- ジャンル:ホラー,ミステリー
- 監督:キム・ジンウォン
- 脚本:キム・ジンウォン
- 製作:チョ・ユンジン,イ・ユンジン
- 上映時間:86分
- 公開日:2019/8/15(日本2020/8/21)
引用:NAVERより
本作で撮影場所として登場する「廃墟になった劇場」は、実際に心霊スポットとして存在する場所とのこと。
また、「映画の中の映画」という構造が面白いですが、主人公が暗闇の中スマホのライトを使って撮影するシーンが多く、全体的に画面が暗いのが特徴。
映画|ワーニング あらすじ
新人の映画監督として期待されていたミジョンは、プロデューサーから「最後のチャンス」を与えられ、「2週間で脚本を書く」と返事をします。
ネタを探し始めたミジョンは、後輩のジュンソから「今では都市伝説となっている呪われた映画」があることを聞き出し、「大田(テジョン)大学の映画科」というわずかな情報を頼りに、大田大学映画科のチョ・ミギョン教授を訪ねます。
結局、空振りに終わりますが、その帰り道に偶然立ち寄った居酒屋で、映画学科の学生3名と会い、情報を掴みます。
その情報とは
- 大学の近くの潰れた劇場で、スンミという女優が撮影中に事故で焼けてしまい、亡霊となった
- 10年前、ある学生がホラー映画を撮影したが、あまりにも怖くて試写会では観客が心臓麻痺で亡くなった
- 監督は「亡霊が撮った映画だ」と言っていた
- 亡霊から「どんな映画を撮りたいか」を問われた監督は、「世界一怖い映画」と答えたあと気絶した
- その時のホラー映画「暗転」が富川(プチョン)映画祭に出品されている
掴んだ情報を頼りに「ホラー映画 暗転」に迫るミジョン。
その姿はすでに呪われているようにも見えるが・・・。
映画|ワーニング キャスト
「映画の中の映画」のため、観ていると多少混乱してきました。
そのため、キャストを現代・過去(2008年)・過去(1980年)として、分けて作成しています。
現代の「暗転」周辺キャスト
パク・ミジョン役 ソ・イェジ
- 本作の主人公
- 新人映画監督
キム・ジュンソ役 チ・ユノ
- ミジョンの後輩
- カフェスタッフ
ジョンミン役 チュ・ジョンヒョク
- 映画学科の学生
- 都市伝説の情報提供者
その他キャスト
役名 | キャスト | 役どころ |
キョンシク | チュ・ジョンフン | 映画学科の学生,都市伝説の情報提供者 |
ソンテ | ナム・テブ | 映画学科の学生,都市伝説の情報提供者 |
カン先輩 | ソ・ソッキュ | ミジョンの大学の先輩,富川映画祭主催者 |
チョ・ミギョン | キム・ミギョン | 大田大学映画科教授 |
— | ユン・ジュンノ | プロデューサー |
— | キム・ジェイン | ミジョン役俳優 |
— | キム・ドゴン | ジュンソ役俳優 |
2008年の「暗転」周辺キャスト
キム・ジェヒョン役 チン・ソンギュ
- 映画監督
- 現代では亡霊に苦しんでいる
キム・ジス役 キム・ボラ
- 撮影スタッフ
その他キャスト
役名 | キャスト | 役どころ |
チャ・グァンペ | チャ・ヨプ | 撮影スタッフ |
チョ・ヨンミン | チョ・ジェヨン | 撮影スタッフ |
1980年の「暗転」周辺キャスト
スンミ役 チョ・アラ
- 撮影中に亡くなった女優
- 現代は亡霊となっている
その他キャスト
役名 | キャスト | 役どころ |
— | キム・ソンドン | 映画撮影スタッフ |
— | ソ・ジョンウ | 映画撮影スタッフ |
— | イ・ソンギョ | 映画撮影スタッフ |
— | ソン・ソンア | 映画撮影スタッフ |
— | キム・フンヨル | 映画撮影スタッフ |
映画|ワーニング 感想
1990年代の日本のホラー映画、「リング」に出てくる「呪いのビデオ」を思い出しました。
ワーニングでも、過去に起きた事故の謎を追うんですね。
その過程で主人公がどんどんのめり込んでいくのですが、正直なところ一回見ただけでは理解できませんでした。
現実かと思っていたら主人公の夢の中の話だったり、「また夢の話か?」と思っていたら実際の出来事だったり。
とにかく、「混乱」してしまいました。
実際、私も二回見ても謎の箇所があり、考察という形で記載しています。
以下、ネタバレを含みます。
映画|ワーニング ネタバレ(考察)
この映画は1つの劇場で起きた3つの時代が登場するため、各年と出来事を時系列にするとわかりやすいかと思い、まとめてみました。
早速、ネタバレ(考察)していきます。
1980年の「暗転」ネタバレ
劇場で最初の「暗転」が撮影されますが、撮影中に火事になり女優(スンミ)が事故で亡くなります。
無念だったことでしょう。
以後、亡霊として2008年・現代の世界線で現れます。
※スンミ以外の人物について、本作では写真のみ登場
2008年の「暗転」ネタバレ
キム・ジェヒョン監督はホラー映画を撮影するため、1980年と同じ場所(この時点では廃墟となっている)に侵入し、そこで「暗転」というタイトルが書かれた1枚の写真を発見します。
そう!この写真に写るのは、1980年の撮影メンバーです。
そのまま自身の映画を同じタイトルで撮影するのですが、撮影中に3人のスタッフがスンミの亡霊に襲われて亡くなります。
その様子を震えながら見ていた監督。
監督は亡霊に「世界一怖い映画を撮りたい」と頼んでしまい、呪われてしまったと考えます。
なぜ?(考察)
劇場に撮影用のカメラを設置するシーンがあります。
そのカメラに、スタッフが襲われ亡くなっていく最期の姿が撮影されていました。
その映像を編集し、作品として試写会で公開する。
とても正気とは思えない行動だからです。
また、暗転のメイキングビデオの中で「なぜホラー映画を撮りたいのか?」という質問に対し、「高校の時、いじめられていて毎日が嫌だった。病院通いで学校にも行けず。ある日、世界で一番怖い映画エクソシストを見て、目が釘付けになって手が震えて気付けば泣いていた。激しい鼓動を感じた。本当に怖いのに辛い現実を忘れられた。その時に、自分も誰かの苦しみを忘れさせられるホラー映画を作ろうと思った」と語るシーンがあります。
「怖い映画を見て、激しい鼓動を感じた」ということは、仲間が襲われ亡くなっていく姿を、エクソシストを見ている時のように魅了され、激しい鼓動を感じていたのではないでしょうか。
最終的に、生き残った彼は「暗転」を封印し、スンミの怨念に苦しみながら隠れるように生きることに。
だからミジョンに散々警告した。
同じような目に合わないように・・・。
そして警告を無視したミジョンから、亡霊に襲われている自分の最期の姿を撮影されることになる。
現代の「暗転」ネタバレ
新人の映画監督として期待されていたにも関わらず、期待に応えることができずにいるミジョン。
プロデューサーから「最後のチャンス」を与えられ、「2週間で脚本を書く」と返事をします。
そこで、都市伝説になっている「呪われたホラー映画の話」を聞きつけ、1980年・2008年と同じ劇場で「暗転」を撮影するのですが、彼女もまたスンミに呪われてしまいます。
なぜ?(考察)
ミジョンとキム・ジェヒョン監督、境遇が似ています。
ミジョンも命を絶とうとした過去がありました。
手首には、傷を隠すようにリストバンドのようなものをしています。
本作の冒頭は、スンミがミジョンの夢の中に現れるところから始まるため、境遇が似ていたこともスンミに呪われた要素だと考えます。
更に、ジェヒョン監督がスンミから襲われ亡くなる姿を、ミジョンはスマホで撮影するのですが、その姿を見たジェヒョン監督から「正気を失っている」と言われます。
また、ジェヒョン監督の作った「暗転」には、「誰かの苦しみを忘れさせられるホラー映画を作ろう」という意志が込められています。
脚本が思うようにいかず、ラストチャンスで切羽詰まったミジョンは、この意思に誘導されたのかもしれません。
映画|ワーニング 最後は?どこまでがフィクションか?
映画の最後、ミジョンが監督したホラー映画「暗転」は大絶賛となります。
観客から拍手喝采を浴びる中、なぜか一点だけを見つめ、軽く微笑し本作は終了します。
「どこまでがフィクションなのか?」
「暗転」撮影中、プロデューサーからのこの問いに答えなかったミジョン。
そのことからも、果たしてどこまでがフィクションなのか疑問が残る終わり方になっています。
映画の中の映画のシーンはすべてフィクション説⁉
「映画の中の映画」の部分は、すべてフィクションかもしれません。
以下、考察です
- 現代の「暗転」撮影中にミジョンは煙草を吸っているが、それ以外のシーンでは吸っていない
- 髪の長さが違う(これは撮影から公開までの期間で伸びたのかも?)
- 居酒屋で映画学科の学生3人からの情報提供をうけ、自宅で資料を作成しているシーン(15分10秒頃)では、ミジョンの手首の傷がはっきり映し出されるが、最後のシーンでは無くなっている
- スンミに襲われた時に負った顔の傷も無くなっている
- ミジョンが執筆に集中しすぎたあまり、起用した女優の演技に自分の想像を重ね合わせてみていただけ(手首の傷や顔の傷)
残る疑問
現代の「暗転」には女優を起用していることが分かります。
途中から主人公の女優がミジョン本人に変わることから、実体験を映画化したという解釈も可能ですが・・・。
だとすると、危険を顧みず助けに行った後輩ジュンソは火事の劇場に置き去り・・・かわいそうとしか言えません。
シナリオを読んだジュンソとミジョンの気になるシーン
ジュンソ「主人公の女性監督が先輩のようだ」
ミジョン「後輩役はあなた?」
ジュンソ「女性監督と後輩は最後どうなりますか?」
ミジョン「ハッピーエンドではないでしょう」
ホラー映画に魅了された二人の映画監督。
様々な解釈ができる、想像の余地を残す終わり方です。
腑に落ちないと思わせるところが狙いかもしれませんね。
映画|ワーニング 配信
現在、レンタルも含めて下記で視聴可能です(2022年10月)
- U-NEXT
- アマプラ
- GYAO!
- dTV 10/1~
- Netflix 10/1~
◆配信開始
『ワーニング その映画を観るな』(韓国)『サイコだけど大丈夫』のソ・イェジ主演。
ホラー映画を手がけることになった若手映画監督。脚本のアイデアのため都市伝説を調べるうち、廃墟となった映画館に辿り着くが…。#ワーニングその映画を観るな pic.twitter.com/gAXCxFwXBM— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) October 1, 2022
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